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原状回復の支払い拒否が増加中!原状回復費用精算と注意点

オンシーズンになり、退去が増えるこの時期は原状回復トラブルがつきものです。

昨今は入居者も「原状回復費用を請求されずに済む方法」・「敷金を取り戻す方法」などインターネット上を中心に、原状回復費用は取り戻せる・取り戻すべきという風潮が強まっています。

その事により原状回復費用の支払い拒否を当然のように行う入居者も増えてきました。

今は、一昔前のように「どんな修繕費も賃借人が全額負担する」といった事は認められていません。

入居者や賃貸経営自体のトラブルにならない為にも、改めて国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」をもとに、負担割合などの基本を確認しましょう。

「経年劣化・通常損耗は賃貸人」「通常使用以外による損耗は賃借人負担」

原状回復費用の負担割合を考える際、基本となるのが「通常の使用による損耗(以下、通常損耗という)」と「賃借人の故意過失や善管注意義務違反によって、通常の使用を超えるような損耗(以下、故意過失による損耗という)」という2つの損耗区分があります。

結論から言えば、通常損耗は賃貸人が、故意過失等による損耗は賃借人が、それぞれ費用負担するのが原状回復の大原則となります。

「通常損耗」とは、時間の経過によって発生する劣化や傷みです。

例えば畳や壁紙の日焼け、浴槽や便器の劣化による故障、冷蔵庫の電気焼けや家具の設置跡など、通常の生活をしていれば発生しても致し方ない傷や汚れが該当します。

一方、「故意過失等による損耗」とは、賃借人がわざと、うっかりによって出来た傷や結露を放置するなどで生じた損傷、タバコのヤニ、ペットによる汚れや臭いなど、通常の生活では起こり得ないことが該当されます。

入居者には通常使用以外での損耗した箇所について「原状回復の義務」が発生します。

当然に故意過失部分については入居者へ請求ができます。

参照元:東京都住宅政策本部「貸主・借主の負担区分の図解(一般的例示)」

https://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/juutaku_seisaku/tintai/310-23-00-jyuutaku.pdf

全額請求が不可な箇所もあり、故意過失でも耐用年数を考慮

賃借人の故意過失等による損耗でも、法律で定められた「耐用年数」が考慮される点には注意が必要です。

例えば「クロスの耐用年数は6年間」と定められていますが、これはクロスの「クロスの価値は6年かけて徐々に無くなっていき、6年後以降は価値が無くなるという事です。

仮に3年後のクロスの価値は本来の50%、6年後の価値は0%(会計上は1円)になります。

例えば、故意過失で破られたクロスの修繕費用が5万円だった場合でも、入居者が3年間入居していた場合は、50%の2.5万円の請求になります。

6年以上住んでいた場合は、請求出来ないのが原則となります。。

※入居者に重大な善管注意義務違反がある場合には、工事の人件費等の請求が認めれる場合もあります。

主な耐用年数を確認しましょう。

耐用年数を考慮した貸主・借主の負担割合で計算をし請求することでトラブル回避できます。

「原状回復ガイドライン」をしっかりと理解し、理論に沿った請求をしよう

最近では「敷金返還代行業者」に依頼する入居者もいており、貸主にとっては、賃貸経営をしていく上で厄介な状況です。

しかし、原状回復ガイドラインのルールに則って請求すれば、入居者の不当な要求まで飲む必要はありません。

その為にも再度理解を深める事と今一度、賃貸借契約書を見直した上で、必要に応じて特約を設けるなど、トラブルを未然に防ぐ方法が必要になります。

原状回復請求でどのくらい請求できるか分からない場合は、お気軽に弊社にお問い合わせください。

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